以下のエントリーからの続きです。
id:umitanukiが極めてナイスなデータマイニングしてくれたお陰で実際の統計データを見ながら「アメリカで日本がエンジニアが働きに行ってお得なのか」を議論できることになりました。この手の話題としては必読だと思うので、以下のエントリーをご覧下さい。
H1Bはご存知の通りスペシャリストの一時雇用ビザですので、それなりにスキルがあることを前提とされています。彼らの統計が8万〜12万というレンジなのであれば、誰でも彼でも学生がそのぐらいもらえるという訳ではなくて、UCバークレーとかスタンフォードとかクソ難しい(入学するのも卒業するのも)ところを出なきゃならない。しかもよく考えてください、10万ドルもらっても77円計算なら770万ですよ。この状況を鑑みたら日本という特殊なマーケットで仕事を(比較的)簡単に見つけられる特権を生かさない手はないのではと個人的には思います。
要点まとめると、
- 新卒ではなくシリコンバレー全体で見てそれなりにスキルのある集団(H1Bビザとれる程度)上位80%ぐらいは8万ドルもらっている
- 上が20万ドルから10万ドルに収まるのが全体の上位47%
- 1000万円稼ぐためにはおおよそ12万ドル必要ですが、その順位は上位15%ぐらい
- UCバークレーとかスタンフォード出た新卒が8万ドルくらいもらえるのは嘘ではなさそう
という結果。うーん、これって相当夢が無いぞ。だって、ご存知の通り日本のGoogleの新卒は600万円程度、日本のメーカーだと5-7年務めてボーナス入れて600万円程度。これって、だいたいドル換算したら7万5千ドルくらいですよね。ここにアメリカ個有の税金、保険、住居費入れると実はトントン、もしかしたらお金目当てでアメリカ行くのって全然ペイしないのでは。
もちろん、
- 最先端の技術に集中できる環境
- 福利厚生が良いところはやたら良い。
- リアルに世界を変える実感が持てる場所で働ける
などなど、日本ではなかなか感じることができないプライスレスな価値はあると思うのですが、すくなくともお金目当てで行く所ではないというのが結論かと。こうなってくると、やはり世界進出を狙うGr社とかD社とかに入ってシリコンバレー行って、円建てで給料もらうというのがすごく魅力的な選択肢に見えてきました。実際にそうやっている人いっぱいいるしね!
[おまけ]僕も全面的にレビューに参加したIT×漫談×ビッグデータの最先端を語った本「ビッグデータビジネスの時代」が11/9に発売されます。見た目は若干技術系よりのビジネス書ですが、最先端のIT漫談が詰まった非常におもしろい本です。
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