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AI、ビッグデータ、ライフサイエンス、テクノロジービッグプレイヤーの動向、これからの働き方などの「未来」に注目して考察するブログです。

ノマドとかライフスタイルをテンプレで語ること自体の陳腐化と正社員とノマドの中間解

本日読んだページで一番衝撃を受けた以下のエントリー。スゴすぎて何かいろいろ考えさせられた。

パプリックになることは誰にとっても最初はおそろしい。だが私はこの恐怖を乗り越えて先に進んで行きたい。正直、40歳にもなって、月に数万円しか稼いでいないと告白するのは恥ずかしい。だが、私は未来につながらないカネを稼ぐだけの仕事をもうするつもりはないし、そのためには収入は少ない時期も甘受するしかない。第一、見栄や虚勢を張りたくない。インターネットは決して忘れない、とジェフ・ジャービスは言った。インターネット(≒評価経済)はウソが突き通せる場所ではない。困ったら困ったという声を上げよう。そうすれば誰かが助言してくれる。大切なのはいつでも正直に、意図的に誰かを操作したり傷つけようとしないことだ。
私はパブリック・マンになるつもりだ。もしこれで餓死するならば、その光景をソーシャル・ネットで中継する。まさに「ソーシャル餓死」。大勢の人たちに見守られて(あるいは呆れられて)死ぬならそれも本望だ。そこまで考えて腹が据わった。もっとも、それだけの意思力があれば、そのずっと手前で新しい展開があるはずと私は信じている。

ノマドとかライフスタイルをテンプレで語ること自体の陳腐化

上の記事を書いた人は一部でノマドや海外移住の人として有名なelm200さん。Twitter上でいろいろおもしろいことを発信している人で、言うことにはほぼ同意できないのだが、いつもおもしろく眺めていた。だいたいこのタイプの人がしゃべることは以下のようなテンプレにハマっていることが多い。

  • 日本のライフスタイルは時代遅れ。よりノマド的なライフスタイルが優れている。
  • 日本の大企業は時代遅れ。こんな大企業にいたら人生をスポイルする。
  • 一つの場所に定住するのも時代遅れ。海外移住、または年の半分を海外で過ごすべき。

この全てに反論することはすごく簡単なのだが、そもそも個人的な実感として、一つの組織に所属して、社畜と言われようがきちんとした成果を出す形で働き、組織と一緒に自分も成長した上で、その後独立なりなんなりするのが最終的に自由を手に入れる最も現実的な方法であることは間違いない。問題はこの成長する組織というのが日本に数が少なくなっていること、そもそも組織に所属するクチがかなり狭くなっていることだ。ただ、一度もきちんと働くことなく、きちんとした仕事ができる状況に自分に成長させることができる人の方がレアだし、よほどの才能がないと難しいと思う。
そもそも、個人的な実感として最近フリーランスとして独立した人も、大きな組織で働いている人も、育児だったり介護だったりそれぞれいろんな事情を持って働いている。その中で、ノマドとかライフスタイルをテンプレで語ること自体が時代に即していない。ノマドというライフスタイルが存在するのではなく、自分にとって最適な形を模索したらそれがたまたまノマドだったというのがライフスタイルの正しい形のはずだ。

求められているのは正社員とノマドの中間解

ここまで書いてみて、たぶん世の中で求められているのは正社員とノマドのまだ言語化されていない中間解なんだろうな、と思った。
僕らに提示されている一般的な生活のスタイルを考えてみると、正社員として一つの場所に長時間束縛されるか、フリーランスとしてノマドとなり自分の腕一本で食べていけるようになるかの究極の2択しかほとんど存在せず、その中間の解がみんなが納得できるきちんとした形で提示できてないのが、現在の状態のように思う。おそらくこの中間部分の何処かに、ライフスタイルの多様性の鍵となる要素が存在しているはずだ。
この部分を突き詰めるための本として「週4時間だけ働く。」は劇薬だけどおもしろかった。

「週4時間」だけ働く。「週4時間」だけ働く。
ティモシー・フェリス 田中じゅん

青志社 2011-02-03
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ただ、以前も書いたけど、この本は劇薬なので、この本の日本版的な本があればいいんだろうな、と思う。

この中間解の部分をきちんと体系だてて分析することは、下手なライフハック本よりも価値が高そうだ。この部分は改めて考えてみたい。

まとめ

ノマドとかライフスタイルをテンプレで語ること自体の陳腐化と正社員とノマドの中間解について感じたことを書きました。ご意見、ご感想などもしあれば、Twitterやっているので、@gamellaに送っていただければ。