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WIRED Vol.3のスーパーコンピュータ特集で考える国産スーパーコンピュータについて

最近、雑誌ばかり読んでいるような気がするがWIRED Vol.3がとてもおもしろかった。

WIRED (ワイアード) VOL.3 (GQ JAPAN2012年4月号増刊) [雑誌]WIRED (ワイアード) VOL.3 (GQ JAPAN2012年4月号増刊) [雑誌]

コンデナスト・ジャパン 2012-03-10
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スーパーコンピュータ特集、アマゾンCEOジェフ・ベゾスへのインタビュー、ダイソン特集など見所が満載。そのなかでもスーパーコンピュータ特集について紹介してみよう。

京とTSUBAME2

<京>が仕分けにもめげずにHPCの計算能力をはかるTop500で見事1位になったのは記憶があたらしい。この特集では、<京>にフォーカスしつつも、日本が誇るもう一つのスーパーコンピュータにもフォーカスしている。この中で、松岡教授がのCPU/GPUのハイブリッドアーキテクチャについて述べているが、その他にもは計算サービスという一般の企業もお金を払う事で借りるサービスも展開されており、実際に利用できるスーパーコンピュータとしても、非常に評価が高い。

国産のスーパーコンピュータという考え方

この中で、もし<京>が仕分けされていたら、日本のスーパーコンピュータ研究は崩壊していた、とのコメントがあった。研究者の全てが大学のポジションにつけるわけではないので、ある程度実績を積むまではドクターを取得した研究者はポスドクというポジションにつく。このポスドクというポジションはプロジェクトベースでアサインされるので、もし<京>がご破算になっていたら、みんな職を求めて海外に行く必要があった、というわけだ。研究者とあわせて、国産スーパーコンピュータという部分に関して松岡教授が補足ツイートしていたので、紹介しておきたい。

こうやってみてみると、どの部分で勝負するか?というのが、すごいスピードで変化しており、予算の執行に5年かかる国が全面的にやるにはかなりHPCの分野はハイリスクだと思う。特に海外では、Google、Facebookのような既存のPC要素を組み合わせてスーパーコンピュータを作成するのがすでに産業レベルで一般的になっており、TSUBAMEもその方向で発展していくと思うので、日本にもそういうことを本当に必要とする企業が現れて実際の産業で利用されればおもしろいと思うのだが、こればっかりはなかなか難しい。いろいろ先輩や知り合いが<京>に絡んでアプリケーション側の研究をしており、いろいろイベントもあるようなので、機会見つけて参加したいと思う。

まとめ

WIRED Vol.3のスーパーコンピュータ特集を読みつつ、松岡教授のツイートも紹介しました。ご意見、ご感想などもしあれば、Twitterやっているので、@gamellaに送っていただければ。