Androidのアプリ開発者、とくにゲーム開発者への訴求力が低下している。まわりのアプリ開発者に聞いても、Androidのヘビーな仕事はあまり受けたくないと考えている人がいる。
Mika Mobileによると、Android版ゲームのために同社は昨年、総人的時間の20%を費やしたが、Android版の売上高は総売上高の5%だったという。OSの断片化や異なるGPUを搭載した多数の端末への対応に多大な手間が掛かるとしている。
この記事に関連して以下のインタビューが興味深い。
- Androidでは有料アプリはダウンロードされない
- また、Androidは端末やOSのバージョンなどの「断片化」があり、開発の手間がかかる
- よってビジネスモデルが「売り切り」だと、開発コストが回収できない
簡単にいうとAndroid Marketでは有料アプリは売れませんよ!というのと、Androidの「断片化」を回収するコストはかなり高いですよ!ということだ。ゲーム開発者の世界最大のイベントGDCでも、2010年、2011年と盛り上がっていたAndroid対応だが、2012年はむしろ以下のような意見が多かった。
- 個人のアプリ開発者はiPhone一本に絞るべき
- Androidは、コアゲームであればiPhoneと同じくらい売れることもあるが、簡単なパズルゲームにお金を出す層はかなり薄い
- Androidの対応コストは「断片化」によりかなり上がっているので、対応端末、OSを絞り、Unityなどを積極的に活用してコストを下げるべき
僕は個人的にはこの最初の「個人のアプリ開発者はiPhone一本に絞るべき」が、スマートフォンという端末の魅力を一番下げるんじゃないかな、と考えている。というのも、GDCでは「インディーズゲームの時代再び」というくらい、個人or数人でゲームを開発する時代がスマートフォンやPayPalのお陰で個人がお金を稼ぐことが可能になり、高いリスクをとる大規模ゲーム開発よりも、できるだけ低いコストで斬新なゲーム体験を設計するという時代が再びくるという意見が多く、実際に動きも盛んになっている。
こういう個人開発者の熱量というものが、良くスマートフォンの原動力になるという話題になるが、そういう意味で、個人開発者、特にゲーム開発者のAndroidの熱量はかなり下がってきている。Googleもこの動きを察してGoogle Playをトップページのバーに設置するなど、ゲームを購入してもらう環境を必死に整えようと頑張っているが、様々な実行環境におけるAPIの挙動を揃えるためにRubyの標準仕様を定めた「RubySpec」のようなものを見習ってより厳しい「AndroidSpec」を導入しAPIの挙動を統一する、大手のスマートフォンの解像度は揃えるような施策を行うなど、難しいとは思うが断片化の問題にも積極的に取り組んで欲しい。
まとめ
Androidの個人アプリ開発者への訴求力低下はGoogleが早急に克服しなければいけない課題について書きました。ご意見、ご感想などもしあれば、Twitterやっているので、@gamellaに送っていただければ。あと、「http://minnadelifestyle.tumblr.com/」という取り組みをしているので、よろしければ海外在住の方は以下のアンケートにお答えください。