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持たない生活は次のステージにすすんだ - 書評「モノを捨てよ世界へ出よう」高城剛

一言で言うと、小僧どもよく聞け、これが現役最強のノマド高城剛の生き方だ!という本でした。

by カエレバ

いまや海外で生活するのは近所に引越しするのと同じくらいカンタンだ! 一年のほとんどを海外で生活する高城剛が、オススメの都市や海外生活サバイバル術、最先端の学校、さらには混迷の時代を生き抜くための秘訣までを伝授します。未来に不安を感じている方、海外移住、短期留学をお考えの方にオススメしたい一冊です。

高城剛のメルマガを購読する僕としては、外せない本なので、早速購入したのですが、発売されてから2ヶ月ほどAmazonでも品切れが続いており、やっと先日到着して読むことができました。僕は高城剛や週4時間だけ働くなどのぶっ飛んだ人の意見が大好きなのです。

持たない生活は次のステージにすすんだ

どんな本かというと、3ヶ月、いや1ヶ月でもよいか海外で生活してみて、外から日本を見てみよう!という内容の本です。以前のエントリーで、海外で短期間でも暮らせる体制を構築する事自体を「持たない生活は次のステージにすすんだ」と表現しましたが、そこにいたるプロセスとそのプロセスがいまの日本においてどのくらい大事なのかを解説しています。

僕自身は育児をする際は、一箇所に腰を据えて、子どもが安心できる環境で落ち着いて育児したほうがよいと思っているので、現在のステータスではこの本に書かれていることを実践することはできないのですが、この本が一部の層で非常に売れている理由は簡単に想像がつきます。それはいよいよ日本が完全に下降曲線に入ったことをみんな意識しはじめたからです。
といっても、日本はいままで溜め込んだお金を沢山もっており、勤勉で誠実な国民がたくさんいるので、そんなに急激に崩壊するとはだれも思っていないと思います。ただ、海外からみたらこのお金を徐々に下降する日本からどうやってぶんどるか、というのを検討するフェーズに入ったのは、最近の外資系企業の動きをみればうすうすみんな感じていることも多いのではないかと思います。たとえば、拠点がシンガポールや香港に移ったみたいな簡単なところから、スタンダードアンドプアーズの国債格付けみたいなあからさまな部分まで含めて、これからも日本は少なくとも政策的手腕では成長曲線を待ちなすことはできない前提で動いています。昔は「日本はもうだめだ!早く脱出しよう!」と叫んでくれた人々も最近は粛々とその作業を行うフェーズに入っていますし、実際もっとも世界中で職を探しやすい多くの優秀なエンジニアが日本を飛び出し、シリコンバレーで活躍していることは皆様御存知のとおりです。
こんな日本の状況をまずは客観的に観察するためにも、短期間でも良いから海外に出てみよう、と高城剛は述べています。つまり持たない生活は「都市部の生活事情を想定したライフスタイル」ではなく、「仮想日本脱出を想定したより攻撃的なライフスタイル」へと変わったのです。

ではどんなことをすべきか

これは是非本を読んで欲しいのですが、正直どんなことをすべきかの方法論に関してはこの本ではなく週4時間本の方が内容が濃いです。というのも週4時間本はこのプロセスに特化してノウハウを凝縮したまさにライフハックの最終兵器なので。

by カエレバ
この本気になる人は過去にいくつかエントリー書いたのでのご参照ください。

「モノを捨てよ世界へ出よう」の面白い部分はどのようにするかではなく、どこに行くかに特化している点です。いろいろな都市が紹介されていますが、ベルリンとバロセロナがやはりおもしろそうな印象を受けました。これは人それぞれだと思いますが、こういうどこに行くべきかにフォーカスしている本ってあまりみないのでおもしろかったです。というわけで、週4時間本とセットで読むと、相互シナジーがあって、なかなかおもしろいのではないかと思います。電波も感じてしまうかもしれませんが。

まとめ

「モノを捨てよ世界へ出よう」高城剛を読んで、持たない生活の次のステージについて書いてみました。ご意見、ご感想などもしあれば、Twitterやっているので、@gamellaに送っていただければ。