企業文化的な話はかなり好きなのですが、そういう意味では今月のクーリエ ジャポンはその手の話が好きな人は楽しめると思います。
 | 講談社 2012-04-25 |
特に最初に紹介されているFacebookの企業文化の話が面白かったのですが、Facebookの中でもっとも重要視されている文化が「ハッカーウェイ」という継続的な改善と反復を基本とする開発スタイルらしいです。一度、開発メンバーが増えた時に、この文化が急激に失われ、誰が何をやっているのか、Facebookに自分がコミットするにはどうしたらいいのか、ということが曖昧になったのですが、それを問題視した技術担当が考案したのが「新人のブートキャンプ」。新人にはまず机とコンピュータが与えられ、そこに6通の電子メールが届く。最初の1通は歓迎メールだが、残りのメールには実際にフェイスブックのサイトに存在するバグが記載されてあり、それを実際に解決することで、新人にだれでもFacebookに変更を加える立場にあることを叩きこむという。
これって、そのままリーンスタートアップ、継続的インテグレーションの考え方ですね。Cookpadもこのリーンスタートアップを必読書にしているのは、セミナーなどでたびたび聞きますが、大企業になる上でもエンジニアにとって魅力的な会社であるためには、エンジニアの働くモチベーションの一つである自分が世界を変えている感覚をどのように維持するかというのが全てのスピードに直結するのだと思います。
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ただ、微笑ましいのがこのハーカーウェイの手法を営業部隊やマーケティングチームにも導入しようとして、営業やマーケティングのチームでも「ハッカソン」が行われているらしいのですが、そのあたりも含めてIPOを控えたFacebookがどのように変わっていくかは非常に興味深いです。
先進的な企業文化を誇ったあのGoogleでさえ、大企業病にあがらうのは難しいのだから、Facebookがどうなっていくかは、あらたなケーススタディとしてすごくおもしろいと思います。