FutureInsight.info

AI、ビッグデータ、ライフサイエンス、テクノロジービッグプレイヤーの動向、これからの働き方などの「未来」に注目して考察するブログです。

ISHINOMAKI 2.0と動員の革命

@kosukさんから、ISHINOMAKI 2.0が刊行している冊子「石巻VOICE Vol.2」が届きました。


石巻の住んでいた人が震災でどのように考え行動したか、震災後に石巻に移り住んだ人がどういうアクションをしているかが丁寧にまとめてあり、いろいろ考えさせられました。石巻VOICEの内容はネットには掲載されていないようなので、冊子を手に入れるしかないのですが、震災で全てがリセットされた街をどうするかという超難問にみんなで答えを出そうとしている。そんな今の動きがまとめられた格好いい冊子でした。
で、僕が面白いなーと思った部分はちょうど津田大介さんの「動員の革命」という本を読んでおり、その中で記載されていた内容とすごく一致している部分があったところです。

by カエレバ

声を上げなければリターンはない

動員の革命で、陸前高田のある仮設住宅会長がTwitterで復興のための活動をしていることが紹介されていますが、その中でその会長の「当然、僕らも自分でツイッターとかで情報発信していきますよ。なぜかと言うと、情報発信しないところは注目されない。何もリターンがないと思っていますから」という発言を紹介しています。これは当たり前ですが、やはりきちんと考える必要があって、「声を上げる」ということがどういうリターンに結びつくかを考えることとというのは、通常の精神状態ならまだなんとかなるかもしれませんが、震災後の大変な状況でそれを出来る人というのは多くないでしょう。かつ、この声の上げ方も長期的に効果のある方法、短期的に注目を上げる方法が存在するだろうし、そこのバランスを意識する必要がある。正直、僕はこのソーシャルメディアで適切に声を上げる方法というのが、普通の人が持っている能力なのかというとそれも疑問で、そういう意味でも石巻2.0という外からの人と石巻の人が一緒に適切に声を上げるという活動は、参加しているメンバーに「適切な声の上げ方」という、今各所で求められていることの経験につながっていってるんだろうなと思いました。

格好良くなければ多くの人は参加しない

動員の革命に書かれていたもう一つの話しはドイツでのデモの作法についてです。ドイツでは日本よりもよりカジュアルにデモが行われているのだが、そこでは例えばDJを呼んだり、ダンスをしたり、そもそもデモを楽しもうとして多くの若者が集まっているという話しがあった。この多くの人に参加してほしければ、そもそも格好良く、楽しくする必要があるという部分って、結構日本では意識的にやっている人は少ない気がします。むしろ、どちらかというとデモはダサいというイメージの方が強いかも。もちろんドイツの方法をそのまま導入しろという話ではなく、例えば、スタジオジブリの宮崎駿が行った「4人と犬1匹で行った小さなデモ」とか、何か声の上げ方もデモの作法も変わり始めています。

なので、ISHINOMAKI 2.0の活動も、たぶん現場はそんなこと言ってられないくらい大変だと思いますが、その格好良さが伝わってくるような冊子が作れているという点はすごいな、とおもいます。どんな形で応援できるかわからないので、まずはブログで紹介してみました。gamellaはISHINOMAKI 2.0を応援しています。