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持たない生活の最先端を覗き見る「LIFE PACKING」高城剛

このブログでたまに取り上げる「持たない生活」。一時期断捨離やノマドというコンセプトが流行りましたが、5年前にすでに持ち物の99%を捨てた現役最強ノマド高城剛の現在の持ち物を紹介するのがこの本です。

LIFE PACKING(ライフパッキング)【未来を生きるためのモノと知恵】LIFE PACKING(ライフパッキング)【未来を生きるためのモノと知恵】
高城 剛

晋遊舎 2012-11-15
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実はすでに高城剛メルマガでは紹介済みのものが多く、メルマガ、雑誌、本を含めてほぼすべての高城剛情報を仕入れている僕にとっては目新しい情報はあまりなかったのですが、「持たない生活」の入門としては非常に良い感じです。幾つか本の中からおもしろいアイテムを紹介してもいいのですが、簡単にこの本の中で登場する「持たない生活」のベースってなんなのかな、と考えてみました。
まず、持たない生活の方向性の遷移を簡単にまとめてみみます。そもそも家賃と物件の面積を考えたら結構な金額を空間自体に払っています。スペースの使い方は大きく分けると2つの使い方があって、何もない空間として利用するか、ものを置くために利用するか。そして、ものを置くという行為をもう一度考えてみようというのが持たない生活のスタート地点。さらに突き進んでモノを所有すること自体が格好いいという時代は終わった、持たない生活とは海外移住を含む旅や移住を楽しむための最先端の形態、というのが次のステップですね。たぶん2012年の多くの人の認識はここ。

高城剛はさらにソーラーパネルや水浄化システムなどを用いて「持たない」どころか「インフラに依存しない」生活を模索し始めています。まさに現役最強ノマド。といってもヒッピーのような生活をするのではなく、より高度な自立を求めており、使える文明の利器は全部使うし、デジタル機器はフル活用する。ただ、次のステップとして「インフラからの自立」を目指しているように思います。高城剛自体ははっきりいって怪しい人ですが、この人の言っていることはなぜか次の5年くらいで現実になってくることを考えると、日本という国家自体が疲弊したときに次に問題となるのはインフラの信頼性自体なのではないか、とフォーカスしているように思いますね。
また、定住しないといっても何かしらお金を得ることが必要ですよね。その点、高城剛のメインの仕事はDJと映像制作なのですが、DJに関しては、MacBook Air11インチとKORG nano KONTROL2でやりきっているそうです。また、映像制作を請け負う場合もEOS 5D Mark2にGITZOの三脚&水平移動可能なCamera Track Dolly、並行してGoPro HD HERO2のアクションカムにAR.Droneを組み合わせて空撮など持ち運べる範囲の道具で撮影を行うという徹底ぶり。MacBook Air 11インチは常に2台持ち、EOS 5D Mark2は複数台所有と、片方が壊れた時に片方がバックアップとなるようにしてあるというバックアップに関する徹底ぶり。このあたりの仕事道具の簡素化とバックアップのバランス感覚はおもしろいと思います。
最後に健康もキーワードですね。「健康のためなら死んでもいい」は高城剛のメルマガの最頻出ワードですが、この本もホメオパシーからびわの葉健康法、血を排出する方法や白湯を飲む方法などいろんな健康法グッズが満載です。なんかこうやって眺めてくると、次の持たない生活の姿がおぼろげに見えてくるような、そうでもないような怪しい感じを受ける本ですが、そもそも高城剛の本はそういうギリギリの感覚を楽しむ本なので、まぁ、いいのではないかと思います。