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AI、ビッグデータ、ライフサイエンス、テクノロジービッグプレイヤーの動向、これからの働き方などの「未来」に注目して考察するブログです。

WIRED Vol.7:「未来の会社」特集号を読んで

WIRED Vol.7を読了。今回はかなりおすすめの号だと思います。

WIRED VOL.7 GQ JAPAN.2013年4月号増刊WIRED VOL.7 GQ JAPAN.2013年4月号増刊

コンデナスト・ジャパン 2013-03-11
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まず、面白かったのが、まず世界一と称賛されたレストラン エル・ブリを作り上げた天才料理人フェラン・アドリアが現在どのような取り組みを行なっているかに焦点を当てた特集。特に、料理を科学的に分析し、それに対するオープンコラボレーションを成し遂げようという財団の動きなどは非常におもしろかった。分子料理というとちょっとトンデモな感じがするが、バックグラウンドは料理・食材自体を形態素解析するような取り組みで、オープンソース的なコラボレーションと非常に相性が良いというおもしろい解釈がなされていた。そもそも分子料理のバックグラウンドから現状のなんでも炭酸入りにしてしまう機械などが発達してきていることを考えると、より料理の構成要素が分解されていくという考え方から派生する調理法は長い目で見たらいろいろなところに影響ありそう。以前、以下の本がおもしろいという話を聞いていたので、ちょっと僕も読んでみようかと思った。

Cooking for Geeks ―料理の科学と実践レシピ (Make: Japan Books)Cooking for Geeks ―料理の科学と実践レシピ (Make: Japan Books)
Jeff Potter 水原 文

オライリージャパン 2011-09-22
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あと、表題にもなっている「未来の会社」は、ワーク・シフトで取り上げられた未来の動きを先取り・実践する企業がどのようなことを考えて行なっているか、という取り組みを紹介していた。
ワーク・シフト (孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025>)ワーク・シフト (孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025>)
リンダ グラットン .

プレジデント社 2012-07-31
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こちらはどちらかという深い考察を行うと言うよりは、断片的な現象や意見を並べて、未来への動きを体感するような構成になっていたのだが、すでに「働く」というのが社会において生存に必要な物資を生み出すという役割を終えつつあるなかで、どのようなものとして個人が定義していくか、ということにフォーカスしている内容だった。
特集の内容を読んでいただくのが一番早いですが、僕が読みながら思ったのは、最近話題になっているロボットに仕事を奪われる・高度に管理されてロボットと同じ扱いを受ける、というAmazonの倉庫に代表される問題は、すでにWIREDの中ではロボットに奪われるようなものは「雇用」であって「働く」ことが奪われているわけではない、という結論になっていること。むしろWIRED的世界観の中では、この流れは必然で、「働く」ということをどのようにデザインするかは個人の責任という考えが貫かれている。
もろもろ含めてWIRED Vol.7はおもしろい記事が並んでいるのでおすすめです。