最近、ちまたで評判だったので、この手の本は最近手を出していなかったのですが購入、結果的にすごく面白い本でした。賃貸万歳なこのご時世に、それでも住宅購入を考えている人は必読といっていいのではないでしょうか?この手の新書は場所をとらないKindle版がおすすめです。
![]() | マンションは10年で買い替えなさい (朝日新書) 沖 有人 朝日新聞出版 2012-12-13 売り上げランキング : 146 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
詳細はもろもろの計算式が掲載されているので、実際に本を読んで頂いたほうがよいですが、10年という期間はもちろんいろいろ理由があり、住宅ローン減税は10年間利用できるとか、だいたい平均で築12年で大規模修繕があるので、その前に売却することで大規模修繕後の修繕積立金の上昇を削減できるとか、10年固定金利の住宅ローンは個人がかりることができる金融商品では極めて優良であることとか、フラット35では前半10年は金利優遇があるのでものすごく割がよいとかいろいろあります。
そして、当たり前ですが投資という側面上もちろんリスクはあります。それは居住が前提となる「自宅投資は原則一つしか投資できないので、失敗が許されない。」ということ。単純に不動産を投資として考えた場合、賃貸投資は利回りを10%%程度確保しないときつく、要は自宅投資に失敗してローン残高が住宅売買価格を上回り売りに売れなくなった場合、そこからリカバリーするのがかなりきついです。なので、このリスクを回避して全て自宅を賃貸でいききるというのはもちろんおおありだと思います。というか他人に聞かれたら、絶対に賃貸をすすめます。
ただ、うまくこの「住まいのサーフィン」を乗り切って、好条件で10年単位で住み替えた場合のメリットが個人の投資で得られる金額としては莫大なのですよね。
あとこの本を読んで、いそいで自分もマンション買わなきゃという人はむしろこの本の趣旨をわかってないので購入はしない方がよいです。この自宅投資のポイントは「どうやって好立地で優良な物件」を見つけるか、にかかっています。もちろん「好立地で優良な物件」となる条件も説明されており、2013年はかなり好条件のようですが、あくまで投資ですので100%確実なものはありません。この本に掲載されている手法も確率的には良い結果になる可能性が高い、程度のものです。ただ、他の投資とくらべて自宅投資は、さまざまな優遇措置があるので勝算が高いということです。
そんなわけで、あまりにも明確なロジックなので、読んだ後に購入気分になってしまうこと請け合いですが、そこはグッと我慢して、最高のタイミングを模索できる人、これから物件購入を検討するけど、そのロジックの取っ掛かりが欲しい人が参考に買う書籍としてはこれまで見た本のなかで最高レベルだと思います。おすすめです。