Kindleストアを眺めていたら、面白そうだったので買って読んでみた。結果として正解。メディアの将来を総括する上で良本と思います。
・8〜9割のメディア人はデフレに
・テクノロジー音痴のメディア人は2流
・日経以外の一般紙はウェブで全滅する
・有料課金できるメディアの条件
・起業家ジャーナリストの時代がくる
・最後のガラパゴス業界が激変する
・欧米メディアの”血みどろ”の戦い
・これからはコンテンツとデータが王様
・5年でデジタルは端役から主役に
・一番偉いのは、新しい”稼ぎ”を創る人
・新時代のカギを握るのは、30代
・“のっぺらぼうメディア”の終わり
・ウェブと紙の6つの違い
・紙の本はそのまま残る?
・雑誌が紙である必要はあるか?
・次世代ジャーナリストの10の生き方
・記者は没落、編集者は引く手あまた
・ウェブメディアの8つの稼ぎ方
・どうすればネット広告は儲かるか?
・サラリーマン記者・編集者の終わり
東洋経済オンラインの編集長である筆者が、現状の新聞・雑誌・Webメディアの分析と今後有効な施策、またそのような動きに個人としてどのように対応するべきかが、丁寧に説明されている。ロジック展開もデータをベースにきちんと行われており、分析も納得のできるもの。もちろんこの手の本はすぐに内容が古くなってしまう宿命にあるが、少なくともここ1,2年の動きは間違いなくこの本に記載された方向性で動くと思うし、それだけの説得力があります。
ただ、読んでて気になったのは、こういうメディアって、そもそもその言語圏の経済圏の大きさにそのビジネス規模が定義されてしまうポイント。日本語圏でビジネスを行う上でこの宿命は避けて通れず、どうしてもメディアは共通のパイを取り合う格好になる。よって、人口が増え続ける英語圏のビジネスモデルを単純に日本に持ってくることは出来ず、より付加価値の高い・きちんとお金を払ってもらえるメディアを作らないと5年後にみんなで共倒れになる可能性がある。付加価値の施策として生涯教育や講演会、物品などさまざまな方向性が記述されているが、本当に人口の減少の問題が厄介になり始めるタイミングで何が一番効果的なのか。5年後を考えるとこのあたりは避けて通れないと思います。たぶん、あと5年したらかなりマジにこの問題は語られるのではないかと。
そんなわけで、かなりオススメの本なのですが、この本の中でおすすめされている以下の本もメディア本としては面白かったので、Kindleでセットで読むとかなり網羅的に知識を得ることができそうです。