ちょっと以下の記事が気になった。非常におもしろい動きだと思うので、コメントしてみる。
オーガニックリーチとは、無料でページに投稿した分の配信数のことですが、大体どれぐらい減ってるのか? デンマークのKomfoが行った調査では去年8月から11月で「42%減った」ようですし、米Ignite Social Mediaが大手21社のページを対象に行った調査では去年12月1日以降、平均で44.3%の減少が確認されています。
職業柄フェイスブックのマーケティング戦略に詳しい筋が匿名でValleywagに教えてくれた話によると、現在同社は「投稿のオーガニックリーチ(無料投稿配信数)を1、2%まで下げる」途中みたいですよ?
常々、Facebookはこれからどうやって収益率を上げていくのだろう、とおもっていたけど、まさかFacebookページのリーチ率を下げて、有料広告の出稿を増やす作戦にでるとはちょっと予想外だった。というのも、Facebookのどうしようもない弱点が、貯めこまれたコンテンツがほぼ死蔵しているので、過去の履歴などがコンテンツとして再利用されないというSNS特有の特性がある。この特性って、ロングテールで効いてくる検索ビジネスとかとくらべると、結構厳しくて、アクティブな人が減っていくと、流通するコンテンツ量が減少することで、一気に人が離れていく可能性が常に存在している。
SNSのアクティブ率が減り続ける問題っていうのは、mixiとかMySpaceとか歴史的にも確認されており、変化の速度が鈍ると一気に人が離れていく。つまり、SNS事業というのは世代交代に弱く、また変化のスピードを弱めることができない。正直、この傾向がすでに海外だと見え始めていて、インスタグラムやWhatsAppを買って、様々な導線を確保しているわけだが、正直現在4強と呼ばれるGoogle、Facebook、Amazon、Appleの中でFacebookのビジネスモデルが一番リスクが高いと思っている。
これからFacebookが目指すべきは、SNSの世代交代をビジネスモデルに盛り込んだ多角化だと思う。そんなこと関係者は百も承知だと思うし、Oculasなどへの投資がその一環だと思うけど、とにかく世代交代に強い変化のスピードのあるSNSを複数構築し、それぞれをそれぞれの世代に最適化しつつ、ゆるやかにアカウントをまとめあげる多角化を行う必要があるのは間違いなく、この課題がある中でFacebookページのリーチを激減りさせたことは、SNSというビジネスモデルを維持する上での活動の一環だと考えることができる。
この長期的な課題を抱えたFacebookがSNSの中で流通する個人以外の情報を有料広告の出稿量に比例させるように変化を行っている中に、どのあたりにSNSの活動の最適ポイントがあるなか、とかんがえると、今後の動きもうっすらと見えてくると思う。