シンガポールに行く前に、高城剛におすすめされた以下の本を読んでから行ったのだけど、たしかにシンガポールの思想をよく理解できました。シンガポール行く前に読むのは結構おすすめできます。ちょっとこのあたりをベースに移民について考えてみました。
さてさて、移民関連でこの本の中で語られていることは以下の2つだと思います。
- シンガポールに世界の頭脳を集めるためにはどうしても英語を公用語にする必要があった。経済は必ずグローバル経済に取り込まれるのだから、その中でもっとも良い方法を模索するべき。資源がないシンガポールにおいては、可能な限り世界の多様な優秀な人を集める必要がある。
- 中国語やマレー・インドネシア語など複数の言語を第2言語として認めることで、学校や職場では英語、家では母国語ということが実現できた。これで、多様な人が母国語を使ったまま、英語を利用できる下地ができた。
まぁ、つまり言語なのですね。移民政策の基本は。実際にシンガポールを歩いていても、テレビは英語を喋って、字幕が中国語という表示が非常に多いですし、多くの言語が普通に街の中に取り込まれている。ただ、英語がメインなので、実際英語さえあれば何不自由なく外国人も生活ができるし、英語だけで働くこともできる。自分の言語でも生きていけるし、英語だけでも生きていける、そんな雰囲気が充満しており、特に自分がシンガポールにいても、英語さえできれば外国人という感覚はあまりないのではないか、と思います。実際、英語で話しかければ、それで困ったことはありませんでした。
今の日本でも移民の話が登場していますが、どうしても単純労働者としての移民という側面が多いように思います。ただ、この言語的にどのように多様な人が生活していくかをきちんと突き詰めた政策が採用されないと、間違いなく治安悪化とか違う問題が発生します。また、イスラム圏の人が来た時に、モスクが普通に存在するような多様性を許容できるのか、そのあたりの宗教的な違いも問題になってくるはずです。
オーチャードの街を歩いていて、すごく印象に残った風景がひとつあって、オーチャードの真ん中にラッキープラザという少し怪しい建物があるのですが、その中の2階から4階はフィリピン、マレーシア、インドネシアそれぞれの現地の人のたまり場になっているようでした。そこに集まっている人の殆どは女の人で、何をしているのかというと、各階には各国の銀行があり、彼女達はメイドさんとして働きながら週払いの給料を現地の家族に送金しているようです。写真としてはこんな感じです。
この風景を眺めながら、すごく活気にあふれていて、みんな楽しそうに現地の料理を出すカフェとかでご飯食べてて、他の国の人を受け入れるというのは、この多様性を受け入れて、さらにいきいきと働いてもらうことなんだなー、と感じました。このあたり、シンガポール行くと多様性というのはなにかというのが、すごく実感できるので新しい場所を見に行くという意味でも、オススメです。