現代ビジネスの以下の記事を見て、2020年に残る仕事、残らない仕事について、ちょっと考えてみた。
そもそも、このあたりのネタ自体は2025年の働き方自体が「ワーク・シフト」にまとめられており、なかなかおもしろい。ただし、これは世界的な試算なので、東京圏には結構当てはまるが、日本特有の問題を考慮していない。
日本について一番考慮しなければいけないことは、ありきたりの話であるが、人口減の問題であると思う。
先月、国土交通省が2050年になると、日本の人口は約9700万人に減少し、全国の6割以上の地域で、人口が2010年時点の半分以下になるという試算を発表した。
特に地方圏の人口減はすさまじいスピードで発生し、2050年には地方の2割で人がいなくなり、6割で人口が半分に減るという。そして、残念ながら人口が半分に減った地域の人口ががよみがえるということもほぼないだろうから、一部の地方都市を除き、地方はコミュニティやインフラを維持するだけの人口を50年時点ではキープすることができない、と考えた方がよい。
まず、日本においては全てはこのことを前提に未来を考えた方がよい。つまり、どのような職種につくか以上に、どこでどのように働くかが重要なファクターとなる。人口減になると、地方でインフラやコミュニティを維持するコストが上がるため、大都市に次第に人口が集中してくるというのは、よく知られた話で、上の資料でも東京の人口は2040年くらいまでほぼヨコバイでキープしている。
農業や漁業などの一次産業もその仕事自体がなくなることはないが、人口動態において流通は大きな影響を受けるし、今の一次産業において流通のことを抜きにして、その未来を考えることはできない。ある一定の人口規模がないと、サービス産業も成り立たないし、地域の規模自体がなくなると、夕張のように行政サービスも成り立たない。例えば上の現代ビジネスの記事に掲載されている職業だと、一番危ないのは、地方公務員、警察官、消防官になってくると思う。あと、地方大学・学校関係の危険性は言うまでもない。
また、これまではあまり直接的に話題になることがなかった地方大都市の地方都市からの人口吸い上げがそろそろ格的に動きとして出てくるのはないかと思う。特に福岡はこの点かなり頑張っているし、仙台に関してもすでにそのような動きが見て取れる。東京に行くのは抵抗があっても、案外東北だと仙台に行くことはそこまで抵抗なかったりするので、そういう需要をきちんと吸い上げることが地方の人口を維持する上で重要となってくる。
そんなわけで、「2020年に残る仕事、残らない仕事」も大切だが、このままだと確実に発生する人口が減り続ける未来がわかっている以上、それを前提に行動することも考える必要がある。