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AI、ビッグデータ、ライフサイエンス、テクノロジービッグプレイヤーの動向、これからの働き方などの「未来」に注目して考察するブログです。

IT業界のビッグプレイヤーの動きを総売上と純利益からまとめてみる

この前サクッと書いた以下のエントリー。もうすこし違う視点でも書いてほしい、という要望がありもうちょっと違う側面で書いてみようと思います。

この前、記載した以下の表ですが、もうちょっと違う論点を。

ビッグプレイヤー 意思決定者 主な収益源 抑えているもの
Google 創始者 検索・Webページ内のディスプレイ広告 検索、スマートフォン市場、GmailやYouTubeなどのNo.1サービス
Facebook 創始者 Feed内の広告 ソーシャルなネットワーク情報、個人の属性情報による的確な広告配信
Amazon 創始者 小売・電子書籍・クラウド環境 小売ネットワーク・強固な決済ネットワーク・電子書籍市場
Apple CEO+取締役 デバイス ノートパソコン・スマートフォン市場、アプリプラットフォーム

今度は総売上と純利益をFY12からFY13の伸びで並べてみます。単位は百万ドルです。

ビッグプレイヤー FY13の総売上 FY12->FY13の総売上の変化率 FY13の純利益 FY12->FY13の純利益の変化率
Google 59,825 19%の伸び 12,920 20%の伸び
Facebook 7,872 54%の伸び 1,500 2800%の伸び
Amazon 74,452 22%の伸び 274 前年赤字により算出出来ず
Apple 170,910 9%の伸び 37,037 11%の減少

上記をみると、もうちょっといろいろなことが見えてくるので、そのあたりをまとめてみます。

  • Google、Facebook、Appleの利益率がそれぞれ非常に高いことがわかります。それぞれ、21%、19%、21%とほぼ20%代。さらにGoogleはこの規模でもまだ総売上を伸ばしており、Facebookは前年比をみても現在利益が伸びるステージに入っており、業態を考えてもさらに高い利益率になる可能性があります。

  • Amazonの利益率の低さは異様で、これはCEOのジェフ・ペゾスの戦略でもある。このエントリーが詳しいが、ハイテク企業にとっては、「売上高成長率を高く維持すること」がもっとも重要なことで、そのための投資を的確に行うことは良しとされる。Amazonは2006年からずっと売上成長率が20%を維持しており、これはもう一種の戦略であるともいえます。

  • Google/Facebookもこの点を実は非常に強く意識しており、現状の多方面(医療、自動車運転、など)への出資は単純にGoogle、Facebookという超巨大なデータセンターと技術力を抱えた企業が、それを利用して新たな課題を軒並み解決しようとしている試みと見ることができる。個人的には、水面下ですすんでいるこの「巨大な課題解決マシーン」としての試みが今後大きな動きとして見えてくると思う。

  • Appleの売上、利益がすでにピークに達しているのは各種の数字からでも明白で、今後Appleが重要なのは、現状の総売上、純利益を以下にKeepするか、ということになるとおもう。となると、Google/Facebook/Amazonがとるべき戦略は明白で、現状Appleが利益を上げている箇所を「無料」にしてしまえば良い。この試みはかなりタブレット、スマートフォン市場では成功してきていると思うので、早めにIBMなどと連携し、エンタープライズ側への進出を進める必要がある。あと、MSとの連携も相性が良いと思う。