iPhone 6 Plusは大きいですねー。iPhone 6 Plusのサイズと同じ紙を触らせてもらったのですが、かなり大きくてびっくりするレベルです。ちょうど一万円札くらいかな。もちろん、スマートフォンが大きくなった理由はいろいろあると思うのですが、少し考えてみたいと思います。
コンテンツが大画面化をすすめた
ちょうど手元にiPhone 4SとXeperia Rayという3年くらい前でもかなり小さい部類にあるスマートフォンがあったので触ってみたのですが、これは小さい。あれ、これはちょっとというレベルです。で、それを手にして最初に思ったのが、「これはゲームするのも、Kindle見るのもきついだろうな」ということでした。よく、スマートフォンが大きくなることで知的生産のスピードが向上するというのを聞きますが、まぁ、あれは嘘で、スマートフォン触っている人でそれを知的生産に結びつけようと思っている人はかなり少数派、基本はゲームやYouTube、Kindleに代表されるコンテンツ、Facebook/TwitterのSNS、LINEに代表されるメッセージサービスというところでしょう。
これらの特性をそれぞれみていくと、まずゲームやYouTube、Kindleに代表されるコンテンツはある程度大型になったほうが明らかに便利です。例えばゲームは3年前はカードバトルが主流でしたが、現状はスマホネイティブのリッチなコンテンツが増えており、遊ぶときにもそれなりのサイズがないと誤動作をしてしまう。YouTube/Kindleでサイズがあったほうがよいのはいうまでもありません。
特に日本では電子書籍に「漫画」という超キラーコンテンツがあるのですが、漫画が小型スマートフォンではかなり読むのがつらいのは皆様御存知の通り。我が家でもiPad miniで見ています。
Facebook/Twitterはどうでしょうね。これはどちらかというと写真投稿の割合が上がっているというのが要因かと思います。特にFacebookは写真なしの文字だけの投稿をしている方が少数派なのではないかとおもうくらい。Twitterはまだ文字だけの投稿が多く、こちらはそこまで画面サイズに依存しない気がします。ただ、今後はリッチコンテンツも増えるかも。
最後にLINEですが、これはみなさんご存知のスタンプがやはり大きいかと。画像メインのもっともたるモノだと思います。
そんなわけで、コンテンツを並べてみても、たしかに大型化したほうが便利な局面は多いような気もしますが、コンテンツが変わることでスマートフォンの大画面化がすすんだと考えるのも少し早い気がします。
技術が進歩しなかったことが大画面化をすすめた
もうひとつ忘れてならないのは、大画面化するとデバイスとして設計に余裕が出てきて、より大きな部品を利用できるのです。例えば、iPhone 6 Plusが大型化によって得られたものはなんでしょう。もちろん液晶は大きくなってますが、あとはカメラに光学手ブレ補正、バッテリーの容量が2倍近く上昇しています。前者のカメラデバイスもそのとおりなのですが、個人的にはバッテリーの容量増加というのがスマートフォン大型化の最大のメリットであると考えています。
まだ正確なバッテリースペックが確定していないみたいなので、iPhone 5S/iPhone 6/iPhone 6Sのバッテリー能力を並べてみると、iPhone 5Sが3G通話 10時間、iPhone 6が3G通話 14時間、iPhone 6Sが3G通話 24時間ですから、iPhone 5Sを1としたときに1:1.4:2.4という比率になるわけです。iPhone 6Sにいたっては現行機のiPhone 5Sの2.4倍です。もちろんバッテリーサイズだけではなくチップのプロセスサイズや各種省電力技術など全てを統合してこの数値ですが、やはりここまで飛躍的に変わっているとバッテリーサイズが上昇したことの恩恵が大きいと考えて良いと思います。
現状、バッテリーというのが一番技術革新が難しいところでコンテンツがリッチになればなるほど、スマートフォンのスペックが上がれば上がるほど厳しい状況になっているわけですが、これを解決する一番よい方法がみつかりました。それがスマートフォンの大型化です。iPad miniを触ったことある人ならわかると思うのですが、やはりタブレットではなくスマートフォンもコンテンツを楽しむためにはあれくらいバッテリーがもってほしいんですよね。
そんなわけで、コンテンツが大型化をすすめたと同時に、バッテリーの技術革新がなかったことが大型化をすすめているという側面もあるのではないか、と考えました。