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インターネットのお金の動きと検索がどれくらい価値のある市場なのか

Googleの利益の話をすると、結構うまくイメージできないことがおおくて、一体なにがそんなに儲かっているの?という感じになる人が多い気がする。僕も結構その口で、Googleの利益率の高さをイメージすることが出来なかったのだけど、以下の2枚の画像をみて、なんとなくイメージすることができた。

元々は、以下のエントリーで紹介されていた画像で、オリジナルは以下のtweet。

見るとわかるけど、各種サービスにおけるユーザー一人あたりからあげている売上のグラフ。Googleが圧倒的に一位で6.05ドルだけど、BaiduやYandexのような中国とかロシアでずば抜けて高い検索シェアを誇るサービスがFacebookやLinkedInを抜いていることがわかる。こうみると、Googleが飛び抜けて一人あたりの売上が高いのは、検索市場をほぼ独占している地域が多いため、検索による収入を集中してかき集めることができているからだろうな、というのが想像できる。BaiduやYandexも高いところをみると、検索というのは非常に優れた収入源なのだろうというのがわかる。

では、なんで検索が高い利益率を上げるの?ということになると、これは自明な人は自明なんだけど、人間の欲望に一番うまく結びついているから。それを理解しやすいのが、上と同じサイトで紹介されていた以下の画像。

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これはGoogleにお金を払っている企業のランキングだけど、Amazonがダントツ一位で160億円、次に予約サイトグループPriceline Groupが2位になっている。

この2つの画像をみると、購買や予約という消費に直接関係する最初のアクションが検索であること、そこに効果的に広告を入れることが他のサイトにとって極めて重要であることがわかる。つまり、僕の感覚だと人間のアテンションというのは限界量があって、おそらく一日で検索できる数みたいなものは結構決まっているのではないかと思う。もちろん検索の他にも、いくつかのアクションはあると思うが、どう考えても検索が一番わかり易い。ここを抑えているというのは、人間の行動の最初の一歩を抑えているわけで、逆にそこにきちんと広告を入れるためには、お金をきちんと払わなければいけないことを他の企業も知っていて、Googleにはお金を払っているというわけだ。

あと、もう一個、Googleの施策としてうまくいっていると思うのは、Google ChromeのURLバーと検索バーを一緒にしたこと。今は、バーに文字を入れれば、URL文字列なら直接Webページを、ただの文字列ならそのまま「Google検索」が走るようになっているけど、2014年3月時点でChromeの世界シェアは43.66%とほぼぶっちぎりの独走状態。2位のPCに最初から入っているダントツに優位な地位にあるIEが22.58%なのだから、そのシェアの高さは推し量るべし。この検索の第一歩を検索バーではなくURLバーに対するURL文字列の記入と同列にしたことで、検索の第一歩の敷居が下がった。

このようにGoogleの様々な施策はすべて検索数を増やすということに集約されていた、そこが最初に述べた高い利益率につながっていると考えるとChromeのような優れたソフトウェアをGoogleがどうして開発しているのかもわかりやすい。そんなことを考えながら、上の2つの画像を眺めていました。