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ソフトバンクがPepperで家庭用ロボット市場に参入する狙い

少し前の記事だが、ソフトバンクが家庭用ロボット市場にPepperというロボットで参入するという話があった。

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ロボットの進化の方向性は、どちらかというと、現状の困難な課題を代替する特化型の形態で進化する、例えば、Googleの自動運転のような方向性で発展すると思っていたので、ソフトバンクがガチでいわゆる「汎用型家庭用ロボット」に参入してきておどろいた。

正直、僕の感覚では、この路線のニーズというのは難しいように思う。というか、現状の部屋にロボットが入ってきて、なおかつ便利になるシーンがあまり想定できない。ただ、実際勝算なしでこんな大きなプロジェクトをはじめるわけはないので、考えてみたが、AppleがiOS8で発表した家庭用家電ネットワークのHomeKitとの関係性で考えるとちょっとおもしろいな、と思った。

まず、HomeKitのAPIは、このエントリーなどが詳しいのですが、以下のとおりです。

  • HAPに対応した機器をiOSに登録する、登録を削除する。
  • iOSに登録されているHAP対応機器をiOSアプリから操作する。
  • 機器からの変更通知を受け取る。

簡単にいうと、対応機器の発見と状態の更新、さらに機器ごとに定義されている操作の制御です。一般的な用途を考えると、例えばSiriから電灯をつけたり、鍵をかけたり。ただ、原則対応機器しか制御できないし、その連携というのは、何かと何かの制御を同時に行うとか、何かの結果を他の機器の挙動に反映するとか、そういうものになる。ただ、このなかに十分に発達したロボットが入ってくるとおもしろい。たとえば、だれでも一度は考えたことがあると思うが、洗濯という行為を完了させる上で、たとえ全自動洗濯感想機であっても、洗濯機の中に洗濯物をいれる、乾燥が完了したものをたたむというプロセスは存在する。このあたりのミッシングリンクをうめるには、フィジカルな媒体が必要になる。ここにロボットが入ってくるという可能性はある。ただ、実際問題ここまでロボットが進化するのにどれくらい時間が必要なのか、といわれるとちょっと想像できない。5年くらいであっさり達成できる気もするが、結局10年くらいかかるのかもしれない。

ただ、結局この用途を追求するとなると重要なのは、APIによる制御の外部公開と機器連携と環境認識なのだ。そして、このあたりはしっかりとPepperは抑えている。まぁ、たぶん狙いとしてもこのあたりなんだろうな、と思いつつ、ロボットがどのくらい現実世界とコンピューティングのミッシングリンクを埋めることができるのか、という部分は今後もウォッチしていかなきゃな、と思う。