LINEクリエイターズスタンプの分配金が従来比30%削減になった件について、コメントしようと思ってコメントしていなかった記事。ちょっと前の話ですが、以下の記事にもある通り、2015年2月からLINEクリエイターズスタンプの分配金が従来比30%減となるとのことです。
2015年2月1日申請分のスタンプより収益分配率が変更されます。現在はスタンプ売上総額の50%をクリエイターに分配していますが、変更後はスタンプ売上総額よりApp Store・Google Playなどの手数料(30%)を差し引いた金額の50%(売上総額の35%)がクリエイターに分配されることになります。つまり、収益分配率が売上総額の50%から売上総額の35%へと減額されるため、クリエイターが実際に分配金として受け取る額は従来より30%削減されるということです。
このような分配金の比率は、他のプラットフォームや今後の方向性を考慮して戦略的に決定されるので、この削減からLINEの今後の動きもある程度見えてくるのではないかと思っています。
ただ、個人的な雑感としては、スタート時の「スタンプ売上総額の50%」という比率は、そもそもLINEはApple/Googleに売上の30%を手数料として払っていたわけで、それを考慮するととても高い比率だったと考えています。実際LINEはコンテンツのチェックをアルゴリズムではなく、目視でチェックしイメージの出処や誰かの顔写真をイラスト化して利用していた場合、その顔写真のソースの人の許諾がでていることなどをチェックしていたそうで、そこまで手をかけて運用して、LINEの取り分が「スタンプ売上総額の20%」しかないというのは、利益を出すには結構厳しいラインだったのではないかな。
ただ、この導入時はクリエイターへの還元を多めにしたというのは、プロモーションと考えれば成功だでしたね。この前読んだ以下のDIMEでもLINEクリエイターズスタンプは最近トレンドの副業として大々的に紹介されていました。
売上の50%がクリエイターに還元され、上位10位の平均販売額は3680万円。ということは上位10名はおよそ平均1840万円をゲットしたということか。スタンプ販売者の40%が1万円の売上を達成しているという頃で、逆に言うと60%はほぼ収入なしということ。
この中で「スタンプ販売者の40%が1万円の売上を達成」というのが結構すごくて、個人的にはこの40%という比率は他の副業と比較してかなり高いと感じた。これが今回の30%削減で、スタンプ販売者の25%から30%くらいに減ると思われるが、まぁ、このくらいの比率になるとそんなもんかなと思います。
あと、こんなに早く値段を下げることが出来たのは、LINEクリエイターズスタンプにコンテンツを提供するイラストレーターから見た他の代替となるコンテンツ販売可能なプラットフォームがない(お金を稼ぐという観点ではクラウドソーシングのアイコン・ロゴ作成などが該当するかもだが、コンテンツのでき次第で売上が爆発的に増えるという魅力がない)というのもあるかな。
App Store/Google Playなどが一律開発者の取り分を70%にしているのは、そのあたりが落とし所だろうというコンセンサスが市場にあり、かつお互いに取り分比率を意識しているから30%という比率が続いていると考えますが、例えばAmazonアソシエイト・プログラムの還元比率は現在でも年に何回も変わり、例えばゲームが2%固定になったり、逆にKindle/アパレルの比率は8%と意識的に高くしている。この2つはAmazon側の利益率が高いので高く設定できるわけだが、このように還元比率を戦略的にいじることができるのは、単純に他のプラットフォームと比較して優位性があるor代替プラットフォームがないことが理由でしょう。
という背景を考えると、LINEクリエイターズスタンプの比率は今後はLINE側の都合で結構変わる可能性があると思うので、これで一儲けしようと思っている方はお早めにチャレンジするのがよいのではないかと思います。