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Apple Watchと新型MacBookに込められたAppleの意図

Apple Watchと新型MacBookが発表されましたね。MacBook Airの後継かとおもいきや、コンセプトをさらに尖らせた機種。早速林信行氏が一流ポエムを掲載しています。

では、自分なりにApple Watchと新型MacBookに込められたAppleの意図を考えてみたいと思います。

Apple Watch

Apple Watchの意図はかなり明白で、これは機能追加というよりiPhoneというプラットフォームにおいて、高額な公式アクセサリーを売るための施策です。正直、Apple Watchの機能自体がなによりも重要だとApple自身も考えてなくて、それよりも一定の需要を満たすアクセサリーとして認知されれれ成功。そういう意味では、iPhoneユーザーの5%に訴求すれば売上としてはOKなのですから、莫大なシェアを取りにくいくためにモデル数を絞って、かわりにスケールメリットを追求するiPhoneと異なり、広いシェアを多様なEditionで取りに行く姿勢はこれまでのAppleにはなかったものでしょう。

でも、このビジネスモデルって、強力なプラットフォームを持っていて、そのアクセサリで利益を最大化したい企業にとっては結構なメジャーな方法なのです。全38モデル、最高額のモデルは218万円ですから、もう完全に今までのAppleとは別のビジネスと考えたほうがよいわけで、同じ文脈の機能ベースや必然性で売れる・売れないを議論しても意味ないと思います。

利益的には初年度でトントン、長期的にはiPhoneプラットフォーム利益の5%-10%程度を教えあげてくれればよいわけで、そのスタンスで考えれば今の売り方が最善です。

新型MacBook

これは本当におもしろいモデルですね。

CPUのスペック的には現状のCore i5より30%程度性能が落ちると言われているCore Mを搭載し、その恩恵としてファンレスで重さを極限まで削る。ディスプレイは12インチRatineで、端子はUSB Type-Cのみ。SSDは引き続き爆速なので、CPUが遅くてもそれを補ってあまりあるIO速度でユーザーのストレスはなし。ただし、解像度増加による負荷が未知数なので、動画やグラフィックリッチな作業にはおそらく厳しい、というところでしょうか。

以前、以下のエントリーに書きましたがAppleはタブレットでできることを意図的にiPhone側に寄せています。それは買い替えサイクルの早いiPhoneに売上を集中させることが企業としては合理的だからです。

では、今回のモデルの意図は何かというと、Appleの狙いの一つとして、ユーザーの見せ方としてMacBookをiPad Airの上位ラインとして見せたいというのはあると思います。このあたり、地味にゴールドがあるのがにくいですね。なぜ、そう見せたいかというと、これはiPad AirのプロダクトとしてのポジションとMacBookを並列にして行くためでしょう。

次のモデルでiPad Airまたは噂の12インチiPadにあっさりUSB Type-Cが載っても不思議ではなくて、それで、Appleのプロダクトの当面のリブランディングはひと通り終わるかなと思っています。

このあたりはいろいろ意見ある人いそうですが、新型MacBookの位置づけはAppleにとって、iPad Air/噂の12インチiPadと並列になり、このあたりの役割が混ざり合って、Proではないコンシューマ向けのクリエイティビティの高い製品群としてリブランディングされるのかな、と思っています。

このあたりは次回の発表ではっきりしそうですね。

まとめ

そういう意味では、Apple Watchも新型MacBookも将来の布石として、現時点の利益最大化よりもトレンドを作るという役割をもった非常に戦略的に意味のあるプロダクトだと感じました。